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心地いい雨

雨が降る夜は彼と一緒に窓から外の景色を見つめる
「色んなことがあったよ...本当に...色んなことがあった...」
全てを洗い流してくれる雨は...私にはとても心地よかった...

私は彼の話が好きだった
彼の話はなんだって本当のように聞こえた

ある日彼はいつものように私に話しをした
「これから云う話はデタラメじゃない...笑わずに聞いてくれ...」

「あるところに男がいた...
男には大切な人がいた...
そして大切な人を護りたいという願望があった...
だから男は武器を求めた...
だが男には武器を買うだけの金はなかった...
男は考えた...どうするか悩んだ...
そしてある結論に辿り着いた...
そうだ...人から奪ってしまえばいい...」

ある日彼はいつものように私に話しをした
「これから話すことは嘘なんかじゃない...全部本当のことなんだ...」

「武器を求めて男は走った...
手近にいる人に拳を振るい金品を奪った...
全ては大切な人のため...
そして男は遂に武器を手に入れた...
すれ違う人達を皆殺しにした...
男は一刻も早く大切な人に会いたかった...」

彼は息が切れていた...
まるでさっきまで走っていたかのように...
彼は目が血走っていた...
まるで自分がしてきたかのように...
私はまだ...全て想像のことだと思っていた...

「大切な人の家に行くと男は自分のしたことを話した
大切な人のためにしたことを全て話した
男の話を聞いた大切な人は全て想像の話だと思ったが
男が部屋の窓を開けると...そこは...」

彼は部屋の窓を開けた
雨が降っていた
彼は私の手を引いた
雨が降っていた
彼は嬉しそうに云った
「綺麗だろう?」

雨が降る夜がこんなにも恐ろしいものだとは思わなかった...
誰一人動かずに赤い水溜りを増やしているだけ...
私の頬を打つ雨はそれが現実であると実感させる...

雨が降る夜がこんなにも心地いいものだとは思わなかった...
気が付けば水溜りは雨で全て洗い流されていた...
残された死体を片付けているのは彼という名の雨だった...

雨が私の傍にいる限り...
私はそれが現実であることを疑わない...
雨が私の傍にいる限り...
私は常に現実で生きなければならない...

嗚呼...私はまだ...死にたくない...
正気を失えばきっと...殺される...

正気を失いそうな私を...
現実へと引き戻してくれる雨は...
とても...心地よかった...

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