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ブリキの心臓

例えば心臓を握り潰したところで、奴は死なないだろう。

例えば心臓を切り刻んだところで、奴は死なないだろう。

だが、その心臓に油を差してやれば、

奴の心は喜び、

そして、死んでしまうだろう。


喜びという感情を知った瞬間、

奴の心臓は壊れていくようにプログラムされている。

誰も奴を救うことはできない。

誰も奴を愛することはできない。

だが、それと同時に死ぬこともできない。


私は奴の全てを知っている。

奴が何をし、何を思ってきたのか。

そして、私の手には奴のことを詳細に纏めたファイルがある。

今まで開くことを禁じていたファイルだが、今この時だけは紐解こう。

目を逸らさずに見てほしい。どうか…。






奴は親の愛を受けずに育った。

それ故に愛に飢えて毎日を過ごしていた。

何も信じられず、何も信じようとせず、孤独な世界を一身に背負っていた。


奴の歳は12歳であった。

見た目の痩せ細った体からはもっと年下に見えるが、それはちゃんとした食事を与えて貰ってないからだろう。

体に痣こそないが、心には傷が付いている。

「お前は家の子供じゃない」

などという言葉をぶつけられ続けているようだ。


次第に奴の目は虚ろになっていった。

『死んだ魚の様な目』と同い年の子供にまで云われるほど生気がなかった。

奴は何もかもがイヤになり、他の子供達をいつも妬ましげな目で見ていた。

「ナンデ私ダケ不幸ナノ?」

『死んだ魚ような目』はずっと訴えかけていた。


いつしか奴は他の子供を酷く憎むようになっていた。

奴のことを心配して話しかけてきた子供にさえ敵意を剥き出し、暴力で返した。

だが、奴の暴力にも屈することなく、一人の少女が奴に話しかけた。

「怖くないよ?」

そして、少女は奴を抱き締めた。

すると奴は暴れなくなり、目から涙をポロポロ流した。

奴は自分が何で泣いているのかさえ、判っていないようだった。


この時、奴は初めて愛を知った。

ブリキの心臓は初めて喜びを知った。


それから奴は少女とよく過ごすようになった。

しかし、それは学校にいるときまでで、家に帰れば奴はまた独りだった。






そして、いきなり書く気を失った大人でも子供でもない微妙な年齢の管理人がこれをアップしたのは、ファイルが削除されるのを恐れ、とりあえず一時保存したかったかららしい。

続きを書くかどうかは不明。

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