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助けを求める街

「助けてください」

腕に包帯を巻いた少女が云いました。

少女は道に小物を落としてしまい、それを拾おうとしていました。

しかし、腕を曲げることができない少女は小物を上手く拾うことができません。

街の人はその光景を見ていました。

しかし、街の人は少女を助けませんでした。

少女の首まである髪の毛が少しだけ乱れていました。


「助けてください」

松葉杖を付いた少女が云いました。

少女は道に鞄を落としてしまい、それを取ろうとしていました。

しかし、足を曲げることができない少女は鞄を掴むことができません。

街の人はその光景を見ていました。

しかし、街の人は少女を助けませんでした。

少女の肩まである髪の毛が少しだけ乱れていました。


「助けてください」

車椅子に乗った少女が云いました。

少女の車椅子は段差に引っ掛かり、動かなくなっていました。

しかし、足が使えない少女の力ではどうすることもできません。

街の人はその光景を見ていました。

しかし、街の人は少女を助けませんでした。

少女の背中まである髪の毛が少しだけ乱れていました。


「助けてください」

あらゆる所から血を流した少女が云いました。

少女はおびただしいほどの血を流し、道行く人を見つめていました。

しかし、血を流しすぎた少女の体は動くことができません。

街の人はその光景を見ていました。

しかし、街の人は少女を助けませんでした。

少女の腰まである髪の毛が血の色に染まっていました。


「助けてください」

自らの血で全身が真っ赤になった少女が云いました。

少女は血を吐きながら、街の人を見ていました。

しかし、意識が朦朧としている少女は街の人を見つめることができません。

街の人はその光景を見ていました。

しかし、街の人は少女を助けませんでした。

少女の髪の毛は遂に足元にまで届きました。


「助けて…ください…」

意識が途切れかけている少女の前にようやく一人の旅人が来て少女を助けました。

少女を抱き起こして、傷口を確認します。

しかし、幾ら確かめても少女の体に傷はありませんでした。

街の人はその光景を見て喜びました。

少女の髪の毛は旅人の首に届きました。


「助けてください」

旅人が云いました。

旅人は腕に包帯を巻いて小物を落としていました。

髪の毛が足元まで伸びた少女が笑顔で云います。

「助けてくれでありがとう」

少女の体は無傷でした。

そして、それから旅人はいつまでも助けを求め続けましたとさ。

めでたし、めでたし。





少女を助けたいのは街の人全員が思っていたことだけれど、呪いのようなものの犠牲になるのは怖かったんだろうな。

きっと誰も旅人を助けないだろう。

旅人は次の旅人を待つしかない。



君が僕に助けを求めるのなら、

僕は君をいつだって助けてあげよう。

呪われたって構わない。

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