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箱選びゲーム

 人生に選択肢なんて、あると思う?

 よく嘆く人がいる。

 人生の節々で、明確な選択肢が設けられていたならば、それを吟味し、よりよい未来へ誘えるのに、と。


 …私はそういう嘆きを漏れ聞く度に、くだらない悩みだな、と思うのだ。

 選択肢を与えられたって、どうせ何の意味もないし、よりよい未来へ自分を誘えることなんて何もない。


 ……話がわかりにくい?

 じゃあ仮に、あなたの目の前に2つの怪しげな箱を置いてあげよう。

 
 そして、そこに2つだけの選択肢を与えてやるとする。

 曰く、赤い箱を開けるか、青い箱を開けるか。

 あなたはいろいろと迷うだろう。

 開けなくてはならないなら、赤か青か、自分にとってよりよい方を開けたいと願うのは自然な欲求だ。

 そして、箱の形状や気配、諸々を勘案し、やがて苦慮の末、赤か青か、どちからを選択するに違いない。


 ……あなたなら、どっちの箱を選ぶ?


 赤と青。

 …刷り込まれた信号機の法則に従うなら、赤は危険を意味する色。

 でもだからといって、青という色が安全を保障するものでもない。

 むしろ、赤を警戒させて、青を開けさせようという罠かもしれない。


 罠?

 …この中身には得をするものでなく、損をさせるものが入っているかもしれない…?

 
 さぁさぁ…あなたは迷ってきた。

 赤か青かの選択に葛藤し、…箱を開けずにここから立ち去るという選択肢も欲しくなって来たに違いない。


 でもだめ。

 赤か青のどちらかを開けなくてはならない。

 あ、云い忘れたけれでも、あなたが片方を選ぶと、もう片方の箱は消えてしまう。

 だから、選ばなかった方の中身を知ることができない。

 そういうルールがあることを、最後に付け加えておくね?


 さぁ。選んでごらん?

 赤い箱か、青い箱。


 …大丈夫、どっちも損なものは入っていないから。…ほら。


・赤い箱を開ける。
・青い箱を開ける。


>赤い箱を開ける


 よく考えた?

 その結果、この色を選んだのね?


 …あなたが選んだ時点で、もう片方の色の箱はパッと消えてしまった。

 そっちの箱の中身はもう諦めてね?

 そういうルールなんだから。

 
 さ、あなたの選んだ箱を開けてみよう。


 箱の中からは、……キャラメルが1つぶ。


 ……あなたが少しがっかりしているのが分かる。


 そりゃそうよね。

 どう見ても、ハズレっぽいものね。


 正解の箱には、ひょっとすると、板チョコが1枚くらいは入ってたかもしれないものね。

 いや、ひょっとすると、ハワイにペアでご招待なんていう、もっともっとすごいものが入っていたかもしれない。


 でも、それを確かめたくても、もうひとつの箱はもう消えてしまっている。

 それを確かめる術はない。


 だからあなたはプラス思考で考えてみることにするの。

 ひょっとすると…もう片方の箱は空っぽで、むしろこの箱はアタリだったのかもしれない、と。

 
 そしてその安っぽい商品に満足して(あるいは不満でもいい)、それをポイ!と口に放り込んで、もぐもぐとやって満足してしまうのだ。


 で、最後にあなたは思うのかしら?

 次に同じ選択肢が与えられたら、反対の箱を開けてみようって?

 ……でも、お気の毒だけど、赤い箱と青い箱を選ぶなんてゲームは二度とあなたには訪れない。

 だから、選択肢を選ぶなおす機会など、一生訪れない。


 人生の選択は一度しかないから、慎重にってよく親に言われるでしょう?

 くすくすくすくす……。


 ね?選択肢なんて、大したものじゃない。

 …ちょっと幻滅した?

 あっはははははは……。


>青い箱を開ける。

 よく考えた?

 その結果、この色を選んだのね?


 …あなたが選んだ時点で、もう片方の色の箱はパッと消えてしまった。

 そっちの箱の中身はもう諦めてね?

 そういうルールなんだから。

 
 さ、あなたの選んだ箱を開けてみよう。


 箱の中からは、……チューイングガムが1枚。


 ……あなたは今、なぁんだと思っている。

 そう、赤と青の箱の中身は、キャラメル1つぶと、チューイングガム1枚。

 さっきはハズレだと思ってたかもしれないけど、こうして並べると、どっちがハズレとも言い難いのがわかるでしょ。


 まぁ、でも、人の好みもあるもんね。

 キャラメルの方が好きだとか、ガムの方が好きだとか。

 …あなたの好みによって、あなたはきっと開ける箱を選びなおそうと思うに違いない。


 …あなたが欲しがっている選択肢ってのは、つまりそういうもの。

 両方の箱の中身を見比べて、良い方を選びたいっていうわがままのこと。


 でもね?

 現実の世の中は今のゲームと同じ。

 片方を選んだら、選ばなかった方は消えてしまう。

 だから確かめられない。


 もしもあの時、××をしていたら、もしくはしていなかったら、…きっと今よりも幸福に(もしくは不幸に)なっていたはずだ、なんて、わかりようもない。


 結局、選んだ選択肢に納得し、あるいはがっかりし、一応の満足をする他ないのだ。


 でもいいじゃない。

 選択肢というスリルは、一応、楽しめたでしょ?

 こうして、2つの箱の中身を知ってしまったなら。

 赤か青かの選択なんて、ひまつぶしにもなりゃしない。

 こんなつまらない箱遊びよりも、変わりやすい夏の夕暮れを見上げて、遠雷に耳を澄ませながら、夕立が降るか降らないかを迷う方が、ずっと楽しいんだから。


(ひぐらしのなく頃により)

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